看護師を目指したきっかけ

大好きな叔母

2014.01.09
看護師 長崎県在住 28歳

私が看護師を目指し始めたのは高校3年生の時です。母が元々看護師だったため、その姿を見て看護師になりたいという願望はありました。しかし、私にはもう1つ将来目指したい仕事があり、進路について悩んでいました。ちょうどその頃、大好きな叔母が癌を患い闘病生活を始めました。叔母は結婚せず独身であったため、私にとっては年の離れた姉のような存在でした。いつも優しく声をかけてくれる叔母、県外に住んでいるのでなかなか会える機会はありませんでしたが、入院中両親とお見舞いに行くことがありました。

抗癌剤治療で抜けた髪、痩せた叔母を見るのは高校生の私にとって衝撃的な出来事でした。治療中であったため、今思うときつかったと思いますが、叔母は笑顔で私に接してくれました。それはいつもと変わらない叔母の姿でした。そして大好きな叔母のために私は何もしてあげれない、何か出来ることはないかと考えるようになりました。もし私が看護師になったら叔母の看病が出来る、傍で支えることが出来ると思い、看護師の道に進むことを強く願うようになりました。

進路を決めるのが遅かったため、そこから看護学校の受験の準備が始まり、慌しい毎日が始まりました。辛い受験生活、入学してからの慣れない一人暮らし・看護学校での勉強、私にとって試練のときでした。看護学校2年目、母からの連絡があり、叔母が亡くなったことを聞かされました。最初は信じられませんでした。そして私はまだ何も出来ていない、何もしてあげれていないと悔しさと悲しみで心がいっぱいでした。しかし、叔母は私が看護師になるのを本当に楽しみにしていたと両親から聞きました。私はその言葉を胸にひめ、看護実習や国家試験に全力で取り組みました。

無事国家試験に合格し、最初に就職した病院は大学病院でした。癌患者も多く、接し方や看護の方法について毎日悩むことが多かったことを今でも覚えています。先輩からよく言われてたことは「患者様が自分の家族だったらどんな看護をして欲しいか」ということでした。叔母にしてあげられなかった分、今病気と闘っている患者様に対して少しでも自分の看護で元気を与えられる、支えになれるような看護師になりたい。何年経ってもこの時の気持ちを忘れない看護師でいようと思いました。私は今の仕事を選んだことを本当に良かったと思います。自分の天職であるとも思います。これからも笑顔を絶やさない看護師でいたいと思います。
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