私の看護観

寄り添う看護

2014.01.09
 看護師 埼玉県在住 32歳

私は、小学校2年生の時に看護師を志しました。きっかけは、看護師さんを密着したTVを観てこういう仕事があるのだと思いました。母からも、あなたはおせっかいだからこの仕事に向いていると見出され、衛生看護科のある高校を卒業し、専門学校に行き看護師になるには、最短の道で看護師になれました。配属された場所が内科のターミナル期の多い病棟でした。

新人の私に何ができるのか、私にできることをやってきました。私は、どんな状況の患者さんにも、寄り添う看護を忘れませんでした。信頼される看護師になる。これが私の理想の看護師。どうしたらいいのかは、その時にはわかりません。ただ、ひたすら、目の前にいる患者さんに向き合うこと。熱がある患者さんには、夜勤中、氷水で額に冷たいタオルをあて続けたり、ガンの患者さんで疼痛がある患者さんには痛みの部位をさすったり、人生に寄り添い看護をしてきました。

一番の心に残っている患者さまが、聴覚障害のある患者さまで、内科病棟から、オペ適応になり、外科に転科してしまいました。入院時より関わっていたので、転科した後も面会に行きお話を聞いて寄り添っていました。ある時、聴覚障害の患者さまは声を出すことに抵抗があると思うのですが、私が内科に帰る後ろ姿に向かって大きな声でありがとうと言って叫んでくれました。それは、彼の一番の大きな声であったと思っています。涙があふれました。

私は、看護師になり、12年目を迎えました。私がいつもやっていることは、誰にもできることだと思っていますし、特別なことをしているわけではありません。患者さんが入院をされた後にどう生きていきたいのか。新人の私には最初は重荷でした。はるかに人生の先輩方に、私が言えることがあるのか。何度も看護師を辞めようと思ってきましたが、今では経験を積み重ねた引き出しのおかげで人生に寄り添い患者さまからは、心が暖かいと言われ、あなたがいると安心すると言われています。そのことは、私にも良い影響を与え、より良い看護を提供できています。

私は今でも初心を忘れずに、明日を生きるのに困っている患者さんがいたら、常に寄り添い、その人の立場に立ち、看護をしています。私の看護は、どの場所、どんな人でも提供できるので、今は応援看護師という立場で、今まで経験して学んできたことで、患者さまに力になれることがあれば、力を発揮しています。信頼のある看護師は、私が今もこれからも看護師でいる限り信頼のある看護師を模索していくと思います。患者さんからのありがとうがある限り私の看護観で対応して、人生を導いていきたいです。

 
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