看護師としてのやりがい

やりがいと責任の重さ

2014.01.09
  看護師 神奈川県在住 36歳

私はデイサービスで働くことが多く、看護師は一人体制がほとんどなので介護士さんと協力するのはもちろん、自分は看護師としての視点を持って仕事をするように心がけています。先日、嚥下困難のある利用者さんの食事介助をしました。誤飲しないようにポジションを整えたり、トロミのつけ具合を工夫しました。4口目くらいになるとむせ始め、吸引をしてはまた食事に戻ったりの繰り返し。このままでは食事が苦痛でまた十分にとれず、脱水になったり、肺炎になってしまうと思い食事を中止しました。

いつもは介護士が介助をし、全量食べているとのこと。介護士に強く「あの人は何も食べないで帰るのよ」と言われました。私は「分かっています。でも誤飲して死亡する可能性があるのにそこまでして食べさせる必要があるんですか」と聞きました。すると、介護士は「家族にそれを書いてくれるなら良いのよ」と答えました。それを聞いて私はこの介護士さんは、家族に評価されたいがために毎日むせていても全量あげていたんだなと察しました。その日、私はご家族に「ホームで安全にたくさん召し上がってもらうためにお家での食事の様子や食べ物の形状を教えて欲しい」とお手紙に書きました。

また、この日、危ないので食事を中止し、脱水予防のために小まめに水分補給をしたことも書きました。こちらのホームは毎日派遣の看護師が来ています。なので、介護士さんの方が詳しい事もたくさんあります。私は今まで病院などの経験を活かしてまた年を重ねて、自信を持って時には利用者さんがよりよく過ごせるように家族や介護士さんを指導したり調整する立場にあるんだと意識して働くようになりました。私自身、子どもが小さいので今は単発でしか働けていません。介護士さんと協力し合うことは忘れませんが、その日行って感じたことをきちんと伝えたり、方向を見出したりすることのやりがいと責任の重さを感じています。

その後、ご家族からは胃ろうは勧められているが、受け入れたくないことなどの話を聞くことができ、私からも吸引器のレンタルがあることなどを伝えました。それからは食べ物の形状を変えることができ食事の量が増え、むせ込みも減りご家族からも感謝されました。そこで終わらないように明日来る別の看護師への報告もきちんと記録し継続されていくようにしました。若かった時はただ言われるままにやってきた気がします。今は、指導したり調整することの大切さを感じ、よりやりがいを感じています。
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