看護師を目指したきっかけ

『ぼくジョナサン、エイズなの』

2014.01.09
 看護師 東京都在住 26歳

私が最初に医療に興味を持ったのは、小学校三年生のときです。担任の先生が『ぼくジョナサン、エイズなの』という本をクラスのみんなに紹介してくれたことがきっかけでした。それまで『エイズ』という言葉も聞いたことのなかった小学校三年生の私にとって、薬を飲んだり治療をしても治らない病気があるということは、とても衝撃的でした。そのときから、漠然と医療に関わる仕事を将来したいなぁと思うようになりました。

その後、普通高校に進学し、運動部のマネージャーをすることになりました。きっかけは友達に誘われたことで、始めた当初はそれほど強い思いもありませんでした。しかし、マネージャーを始めてみると、一生懸命に部活動をしている姿やとても楽しそうにプレーしている姿を身近に見て、少しでも部員の力になりたいと思うようになっていました。部活動をサポートしていく中で、部員がけがをしたり体調が悪くなる場面が多くありました。心配な気持ちと、何か力になりたいと思う気持ちはあるものの、知識も技術もない高校生の私には見ているだけで、何もすることができませんでした。そのような場面に出くわす度、何もできない自分が悔しく、身近で支えることのできる看護師を目指す気持ちが増えていきました。また、高校時代の仲の良い友人の中に、何人か同じく看護師を目指す友人がいました。その友人たちに出会えたことも、看護師になりたいという気持ちを後押ししてくれました。

さらに、部活動の中で看護師として重要となる経験もありました。それは『笑顔』の重要性です。部活動をしている部員たちは本当に楽しそうで、いつも笑顔でプレーしていました。私は今までに、そこまで一生懸命になれることに出会ったこともなかったので、一生懸命に頑張っている部員たちがとても素敵に見えました。どんなに疲れているときや落ち込んでいるときでも、部活動に出ると、いつもみんなから元気をもらい、自然と笑顔になっていました。一生懸命頑張ることの重要性はもちろんのこと、笑顔の大切さを実感しました。みんなの笑顔で自分が笑顔になれる、私も周りの人を笑顔にできる人になりたいと考えるようになりました。

看護師として働く今も、高校時代の友人たちとは定期的に会い、いつも元気をもらっています。職場では、常に笑顔で仕事をしようと思うことができています。 小学生のときに紹介してくれた本がなかったら、高校生のときの部活動がなかったら、今の看護師としての自分はいないと思います。きっかけはとても偶然でしたが、その偶然にとても感謝しています。
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