看護師としてのやりがい

やりがい

2014.01.08
看護師 滋賀県在住 30歳

看護師という職種の醍醐味は、科学的根拠に基づいた技術や知識を患者に提供できることです。それは、学生時代の知識や日々の仕事で得る知識だけではなく、学会などの研究・調査結果を知り、何がより良い方法なのか、それはエビデンスに基づいているのかなど、新しい方法を知る努力が必要になります。最近では、生活の質をあげるべくあらゆる業界の方々が○○アドバイザー、○○コーディネーターといった資格を取得していますが、それ以上に看護師といった医療職の視点で指導をおこなうことは、どんな資格よりも強いと思います。それは、私自身の自身にもなりますし、仕事を行う上でのやりがいにもつながります。

もう一つは、ただ医療知識を持つだけでなく、様々な分野にも手を出せるということです。好奇心旺盛な私としては、この上ない職種と思います。手を出すというと語弊があるかもしれませんが、これは、看護師としてただ知識や技術提供ではないということです。つまり、大事なのは相手の心を知ること。人間は心のメカニズムが壊れると体に負担が来るし、逆に体のメカニズムが壊れても、精神的な影響が加わります。これは、病院だけでなく在宅で生活する患者、つまり地域で生活するどんな人でも起こりうることです。

そして、その時に、身体疾患がある患者が精神的苦痛が伴ったときにどうしたらいいか。それが、看護師としての力量が問われるところでもあると思うのです。 たしかに身体的苦痛を取り除くことも看護技術としては大切ですし、やりがいもあります。しかし、ターミナル患者のように不可能なとき、もしくは、後遺症といった障害が残る場合に、心の方をアプローチすることが、患者自身が自分の現状を受け止めたり、身体的苦痛をただ薬など医療者側の提供する治療法で取り除くのではなく、本人の持つ生きる力を引き出すこと、別の治療方法を視野にいれること等、幅広い選択肢を増やすきっかけになる場合もあります。そのためには、認知行動療法などの心理学の知識を得て、実践につなげていったり、コミュニケーション力を学び、学んだ分野を磨いていくことも大切になってきます。それらがうまくいったときに、やりがいとしてつながります。

口で言えば簡単ですが、通常業務の中で、行うのはとても大変なことです。しかし、看護師としての資格を得た者の責務でもあるのではないかなと思うときもあります。正直、患者として受ける側になった場合、やはりやりがいを持った看護師にみてもらいたいと思います。そういう看護師をこれからもどんな職場でも目指していきたいです。
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