看護師を目指したきっかけ

病気の父

2014.01.08
看護師 東京都在住

私が看護師を目指したきっかけは、父が病気だったからだ。小さい頃から病院に行く事が多く、物心ついた頃には看護師になると決めていた。母が言うには当時、キャンディキャンディーというアニメが放映されていたのだが、そのキャラクターグッズを好んで集めていたらしい。病院で見かける看護婦さんを「看護婦さんは優しくって、綺麗ね]と話すものだから、気を良くした看護婦さんからハンカチやらお菓子やら、色々頂いていたそうだ。

それから、もう一つ看護師になりたかった理由がある。早く親から自立するため、手に職をつけたかったからだ。看護師は食いっぱぐれる事なし、そう考えていた。私にとって、親に頼らず生きて行くには、生きていく術であった。お陰で早くから、親元から自立し、自分で稼いだお金で自由気ままに生きている。看護師になって本当に良かった。勤め先ははいくらでもある。それに人の役に立つ。高齢化社会の時代になくてはならない職。これから超高齢化社会をむかえる日本ではビジネスチャンスは広がり、独立する事も可能。そんな仕事である。

やり方次第では可能性は無限大。旅行に行きたい末期患者や家で最後を迎えたいターミナル患者のお手伝いなどなど。需要は高い。介護予防の分野でも活躍できる。看護職は専門性の高い仕事である。だからこそ、その事がもう少し世の中に理解してもらえたらと思う。病院で働くナースは労働条件の悪い中、安い手当てでよくやっている。もう少し賃金に反映してもよいのではないか。人の人生に入り込んでお世話をするのだから。こじれた親子関係や身寄りのない独居の老人、疎遠だった親子や事実婚夫婦などなど。人生の最後にはその人の生きてきた人生そのものが見えてくる。

2時間ドラマが何本も作れる程だ。そうした患者の一人1人に向き合い、親身になってお世話をする看護師の姿をみていると、仕事だからという理由だけじゃ出来ないと思う。看護師自身もそうした仕事にやりがい、プライドを持ち、やらなければという奉仕の心がなければ務まらないだろう。看護師は真面目で優しい人が多い。私が幼い頃、優しくって綺麗に見えたのは、そうした清らかな心を持った看護師が多いからなんだなと思う。看護師になっても挫折する人も多いが、決して誰でも出来る仕事ではないし、向いてない人間もいる。現場で頑張っている看護師達は選ばれし人達なんだという事を多くの人に解って欲しい。そんな看護師達が活躍できる日が近い将来やってきたらなと思う。
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