看護師を目指したきっかけ

目標とする看護師

2014.01.08
看護師 東京都在住 30歳

私が看護師を目指したきっかけは、看護学校に入学してからでした。実は、私はもともと「看護師なんて絶対なりたくない。」と高校生まで思っていました。国家資格の仕事とはいうものの、有り難いことに健康体で生まれ育った私は、看護師さんにお世話になることは滅多になかったので、私の中の看護師のイメージというのは、医者の小間使い、というものでした。医者の指示で何でもやらなくてはいけない便利屋さん。失礼なことに、そんな風に思っていました。しかし、進路決定をしなければいけない高校3年生になり、将来の夢というものを持っていなかった私は、親や先生に散々しかられながら、渋々看護学校を受験しました。

将来なりたいものがないなら、せめて自分ひとりでも生活していけるように、手に職をつけなさい。それが母の言葉でした。物を作ることが好きだった私は、手に職、というので美容師や栄養士などをとろうかと思いましたが、それは仕事がなかなかないからと結局は大反対を受けました。看護師なんて・・・と思っていた私に、無理やり親が受験をさせたのです。なので、無事に合格したものの、最初のうちは全く身に入らない学生生活でした。ところが、病院での実習がはじまり、実際の看護師の姿を目にし、患者さんと関わる中で、私の看護師のイメージというものが180度変わったのです。

患者さんの苦痛を受け止めきれずに一緒に涙を流す看護師さんもいました。医者に意見をし、なんとか患者さんの状況を今より良くしようと奮闘する看護師さんもいました。自分は看護学生で受け持たせていただいた患者さんに、ありがとう、といわれました。勉強させてもらったのはこちらの方なのに、感謝されてしまい、頑張らないといけないと思いました。

医者の小間使いなんてとんでもない。医者の指示のもと動かないといけない部分はもちろんありますが、看護師の関わり方しだいで患者さんの状態、気持ち、表情が変わることを知りました。そしてその家族にも影響することも。知識も技術も必要。人としての感性も重要。自分はなんと失礼な見方でこの人達を見てきたのだろうと反省しました。それから、私の心は看護師になることに向かって一直線です。医者は頭はいいかもしれないけれど、24時間交代でもずっと患者さんを看ているのは看護師なんだ。看護師がしっかり看ていれば、患者さんが重症化するのを防げるかもしれない。痛みや不安、不満で仕方ない患者さんの気持ちも楽にすることができるかもしれない。そう思ったら、自分がそんな看護師になれるように頑張ろうと思ったのです。あんなに最初は嫌だった看護学校を無事卒業してからは、看護大学に編入までしました。

今となっては、私が最初は看護師になろうなんて微塵も思っていなかった話を同僚や先輩にすると驚かれます。臨床に出て6年、それでまだまだ半人前です、などど言うとしかられますが、まだまだ勉強が必要だと思うことは山ほどあります。これからも目標とする看護師になれるよう、頑張っていきます。
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