看護師としてのやりがい

「寄り添う気持ち」

2014.01.08
看護師 大阪府在住 36歳

10年以上総合病院で働いていた頃は、日々の3交代をこなしていくことで必死で、常に体も心も休息を求めていました。一人一人の患者様にとっていい看護を提供しなくてはいけないと思いながらも、自分の中で余裕もない状態であり、このままではいけない、と思い一旦退職を決意しました。退職してからは、いままで勉強したくてもできなかった訪問看護の研修を受けたり、また、ネットのサイトで離島看護の情報、求職サイトを見ることによって、総合病院だけではないいろんな場所での看護の力について気づくことができました。

総合病院に勤めていたときは病院が看護師の仕事、と思っていたわたしでしたが、退職しいろんな情報を得る中で、自分に向いている場所での看護に魅力を感じました。看護は、病院での救急医療、ターミナルケア、また社会に密着した在宅医療などいろんな場所で必要とされていますが、一番は自分がどんな看護を提供したいか、そこが大切になってくるかと思います。

私が退職したころに祖父の癌が見つかりました。私は、祖父のケアを家族と一緒に行いました。その経験は、看護師の私では気づけなかった家族ケアの重要性に気づくことができました。祖父の精神的サポートはもちろん、祖父のまわりにいる家族の精神的サポートの大切さにも気づくことができました。看護の力は「寄り添うこと」であり、それは患者はもちろんですが、患者の家族にもとても大切なことであると気付きました。私の家族は医療者でなかったので、医師からの説明のあとは、祖父以上に不安が強く、何かあるごとに私に相談してきました。そして私自身も祖父をケアしていく中で、祖父がいない家族をとてもさみしく感じ、泣くこともありました。

患者をサポートしていく家族に寄り添い、希望をもってケアできるようにサポートしていくことは看護師としての大きなやりがいであり大切な役割であると感じました。その「寄り添う気持ち」は、治療と同じくらい苦痛を軽減し、良い方向に向かっていける大きな力となる、と私は感じました。このような経験を通して、改めて看護の素晴らしさに気づくことができました。その後は在宅医療にすすみ社会で生活をしている患者さん、家族に寄り添いながら、看護が提供できるように努力していきたいと思っています。退職することによって。医療、看護、を改めて見つめなおし、また新たなスタートを切ることができました。これからもであった方々に寄り添うこと気持ちを忘れずに精進していきたいと思います。
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